文化祭から数日──

そろそろ冬の気配を肌で感じるようになってきた頃、私の体に覚えのある症状が出始めた。

薬はちゃんと飲んでる。

ただ時折、倦怠感が出るようになっていた。

呼吸苦は感じられない。

けれど、心配だった私はすぐに診察を受け、その結果、内服する薬を増やされた。


「入院になるような悪い診断じゃなくて良かったじゃないか」


放課後、病院からの帰り道。

心配だからと付き添ってくれた奏ちゃんが励ますように言ってくれて、私は淡く笑みを浮かべた。

確かにその通りだ。

薬が増やされただけで済んで良かったと思ってる。

でも、このまま悪化してしまったら……という不安が顔を出すのだ。