雨が降りそうで降らないどんよりとした曇り空の下、私は奏ちゃんと2人で駅前広場のベンチに腰掛けていた。

デートでどこか行きたいとこ考えといてと言われたけど、リクの事があったものだから結局思いつかなくて。

ただ、考え疲れた脳が糖分を欲しているのか甘いものが食べたい気がしていた。

だから、その時なんとなく頭の中に浮かんでたクレープが食べたいと奏ちゃんに言ったら、駅前の評判のいいクレープ屋さんに行こうと提案されて、現在、広場を行き交う人を眺めながらクレープを食べている。

私はいちごと生クリーム、レアチーズケーキ入りのクレープ。

奏ちゃんは人気の高いチョコバナナクレープにした。


……美味しいけど、やっぱりいつもみたいに食べれそうにない。

体の倦怠感もその原因だけど、それよりも、朝のリクの態度、表情、言葉がずっと頭の中にある。

大嫌いだなんてひどい事言っちゃったし……