「ねぇ、先輩?」

「なーに?秋君」


空を見上げたまま返事をする。


どんより雨雲…
気持ちも暗く沈む。



「今日も家行っていい??」


その質問に驚いて振り返った。


「突然どうしたの!?」



今まで私の都合関係なく家に上がり込んでいた秋君が……


なぜ今更!?



「んー?先輩、承諾なくても俺のこと入れてくれるのかなーって」


何を今更。
いつも家に上がってるよね、あなた。


「私いつも入れてるよね?」


一体何の質問なの!?


「そこですよ!先輩!」


あ、急に敬語になった…


「先輩!先輩は俺をいつも上げてくれるし、ご飯も文句言わずに作ってくれるよね?」

「う、うん?」


なんか秋君がおかしい。


「先輩!!」

「はい!?」




秋君は私の両手を掴んで私に顔を近付ける。


「……俺は、先輩の特別になれた?家に気軽に上げてくれるくらいには、仲良くなれた?」



…………え……?



「他人とかじゃなくて、もっと近い存在になれた?」



近い…存在……?
そんなの……