家にどうやって帰ってきたのかは覚えていない
ふと時計を見るともうすぐ夜の七時になる
(あ…迎えに行かないと)
そしてすぐに気付く
行ってもエリはいないんだ
そう思うと無償に何もしたくなくなる
そんな日が俺には長く続いた

…数日後、宮雄が家に来た
「今日、エリちゃんの葬式だったんだぞ!なんで来ないんだよ」
「あ…今日だっけ?悪い」
本当は知ってたが動けなかった。
「ハルキ!しっかりしてくれよ。学校も来ないと本当にヤバイぞ」
「…悪いな」
宮雄が溜め息をついた
「そんな不抜けにエリちゃんからお前にって頼まれたモンあるが渡せねぇよ」
エリから俺に…
「なんだよ!よこせよ」
「今のお前には渡す気なんねぇよ」
頭に血が昇った
「お前に何がわかるんだよ。俺の気持ちの何が!」
「分からねぇよ!お前にどんな言葉をかけたらいいのかも分かんねぇのに…」
目が覚めるのには十分だった
辛いのは俺だけじゃないんだよな
「宮雄…ゴメンな」
「俺の方こそ悪かった…ゴメン、ハルキ」

「本当はさっき葬式で遺品として預かってきたんだ」
「何を?」
「これ」

渡されたのは綺麗にハートに折られた手紙だった

「これってラブレターだろ?だったらいつものお前に見てほしいんじゃないかって思って…」
宮雄の気持ちに涙がこぼれた。
「宮雄、ありがとう」