あれから俺とエリはずっと会っていた。
帰りにちょくちょく家にも寄るようになり(ほとんどが母の強引な誘いではあるが)二人の間が少し縮まった気がしていた

「ハル!明日だね、花火大会」
「おう、そうだな。燃えるぜ!」
「…何に燃えてるのよ?」
「えっ…いや…別に、花火ってすげ〜だろ!だからだよ!」
「ふ〜ん、まぁいいけど」
もう付き合って三週間たつがまだキスもしていなかった為、俺は花火の日に賭けていた。
(最低キスまではいかないとなぁ…出来たらそれ以上も)

「なんか変な事考えてたんでしょ?なんか顔がやらしいもん」
「そんな事考えてないよ。本当に」
「全然?まったく」
「もちろん」
「…ふーん、それはそれでショックなんですけど!」
と、エリがすねる。
「えぇー!ゴメン、実は少し考えてた。俺も男なんだしちょっとは…な」
するとエリが急に吹き出し
「プッ…なんかハルっぽい理由だね」
「な、なんだよ俺っぽいって」
「それもハルっぽいから許してあげる」
「訳わかんねぇよ、まったく」

「それよりさ、花火見る場所決めてるの?」
「あぁ…俺と宮雄で見つけたとっておきの場所があるんだ」
「本当に!どこ?」
「それは明日まで秘密でしょ」
「えー…分かった、明日楽しみにしてるね」
「おう!じぁあ明日六時に来いよ」
「わかった」
とエリは遠くで手を振って見えなくなった