ほろ酔い気分で聖夜を過ごす



「行儀、悪いですよ」


だから離れろと言おうにも、彼の体温の心地好さに負けた。


ボロアパートの一室では、外の気温が室温となる。二杯目のワインを口にしたのは、酔いの火照りを求めたためだ。


「ミナナ、一緒に暮らさない?」


「あなたの部屋ともなると、一生、監禁生活になりそうですがね」


彼の胸板に耳を当て、頭を撫でる指先を感じつつ、今度は自分でワインを注いだ。


「監禁だなんて、俺は単に、ミナナを外の害悪から守るため、外出しないでほしいだけなんだけど」


「辞書で監禁調べろ」


横暴な口になったのは、たがが外れてきたのかもしれない。


――前は、酔わなかったのに。


「なんのワインですか、これ」