「私、お酒はもうこりごりだと言いませんでしたか?」
机一つに収まりきらないワインボトルの数々は足元に。ベッドに腰掛けるミナナは、肩を落としながらそれらを見下げる。
「酔わして何かをするつもりならおあいにく様ですよ」
ミナナの記憶が正しければ、前に酒を飲み、先に潰れたのは彼の方だと、隣に座る人物を見る。
ワイングラスを器用に片手で二つ持ちながら、もう栓を抜いたワインを注ぐ彼は、鼻歌でも歌いそうな面持ちだった。要するに、ミナナの言い分を聞いちゃいない。
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