「俺だって聞いて驚いた。そっか、同じ日だったんだな。」


「そうですねえ。もっと早く先生に聞いていればよかったなぁ。」


私がそう言った時、先生は笑った。
いつものあのイジワルな笑みじゃなくて、とびっきり甘い笑顔で。


そんな顔見たら…私、ドキドキが止まらないよ。
どうしよう、先生に触れたい。


そう思ったときには私は先生の手を握っていた。


「え!?」


「あ、すいません…!!」


先生も珍しく驚いた顔をしている。私は軽くパニック状態。とりあえず手を離そうと思ったとき、空いている方の左手を先生に引かれた。

そして、先生の腕の中へ…。



「…今、少しこのままでいいか?」


「あ、…はい。」


心臓がドキドキとすごい聞こえる。自分のも、先生のも。正直どっちが自分の心臓の音なのかわからない。

私にも先生の心臓の音が聞こえるってことは、先生にも私の心臓の音が聞こえているって事だよね…?


なんだろう、恥ずかしいよ…!!


でも、先生の胸の中…私が先生より小さいからすっぽりと入るしなんだかとても落ち着く。私の今一番、好きな場所かも。


どのくらいの時間が経ったのかな。多分、ほんの数分だったと思うが…長い時間に感じた。

ゆっくりと、お互いが離れるときなんか、名残惜しくてもっとくっついていたい、何て思った私は変態…?


どうしちゃったんだろう…。
もしかして…好きになっちゃったのかな?先生のこと…。