「最近ルゼの国は…。」





「?」






「遊びに行きたいな…。」





「今度交流の時に…。」





「楽しみ!」





泡だらけの姫を洗い流し大浴場から出る。
姉のように慕うのは幼い頃から一緒にいたからかいつも話し相手になって貰うのはルゼだった。





「エルフは羽があるのよね?」





「今更どうしたのですか?」





「ルゼは羽いつも出さないから。」





白い背中をまじまじと見つめる。





「移動の時以外は邪魔をするので閉まってます。」





「確かに服が着にくい…。」





そこ?と突っ込むか迷ったがルゼは微笑んだ。
身体は大人へと成長したがまだ…。





「そうだ。お父様にお願いしよう!」





「?」
嫌な予感…。






「仮装大会をしてもらっちゃえば…。」






あぁ…。やっぱり。






「それは少し難しいと思います。弓の大会ですから…。」





しゅんとなる…。まるで子犬…。





「別の時にやられては?」





パッと笑顔が見え。
「うん。そうする!」






可愛い…。






結局あれこれコスチュームの話が止まらない姫だった。





マジェスタは魔法の国。水も灯りも全てが自動的に動く。





人が来れば水が出るし、灯りも灯る。





しかしながら食べ物は別。





料理が並ぶ食堂の長いテーブルで国王はラズベルに言った。





「魔法の学びは進んでいるかな?」





「はい。お父様。」
とは言いつつ、根本的な原理やら何やらはさっぱり…。
使い方がわかっているも…。





「私とルゼがサポートしているのでご心配には及びません。」





すかさず伯爵が手助け…。





「そうかそうか。それは何より…。」





ほっほっ…。
笑う王様。






「ラズベル…。今回は姫らしく…。」
その王様を睨み付ける王妃。





「はい。お母様。」
もちろん衣装はフフフ…。





晩餐はいろいろな思考が飛び交う。
敏感な忠犬は密かにため息をつく…。






「大会楽しみですわ!」





「そうかそうか!」






のーてんきな父娘に不安を募らせ王妃と伯爵は首を落とした。