「そんな事どうでもいい。子供の恋愛ごっこなんて興味ない」
冷たい口調で、これまたバッサリ切られた。
どうでもいいと言われ、更に傷ついた。最近ちょっと黒崎さんに近づけたかなぁって思っていたのに、また振り出しに戻された気分だ。
しかしその時、三条君が口を開いた。
「なんすかそれ、恋愛ごっこなんてしてませんよ。黒崎さんこそ仕事仕事で真面目に恋愛なんてした事ないんじゃないですか?」
その言葉に一瞬周りが静まり返る。
三条君は酔っぱらっていない。本気だ。
「・・・俺はそういう無駄な時間を過ごしている暇がないだけだ」
「無駄な時間?恋愛が無駄な時間なんすか!?寂しい考え方してますねー!見た目いいくせに実は付き合った事がないとか!?」
火に油を注ぐような言い方で煽る三条君に、いつも冷静な黒崎さんも怒り口調で返す。
「そういう事を言ってるんじゃない!お前の頭の中は恋愛の事しかなさそうだな!」
いがみ合う2人を周りが宥めている。



