血の気が引いていく。
でも・・・服は着ている。昨日のままだ。
そして三条君も服を着ている。
ホッと一息つくと、三条君が目を覚ました。
「お、おはよう!」
反射的に飛び起きてしまった。
ムックリと起き上がって寝ぼけ眼でこっちを見る三条君。物凄い寝ぐせが彼に似合っていて可愛いと感じた。
「・・・おはようございます」
「あ、あの三条君昨日は・・・」
目をこすって欠伸をしている三条君に恐る恐る聞いてみる。
すると目を見開き、何かを思い出したかのように大きな声を出した。
「あっ!!!」
「え!?」
「桜井さん!なんで昨日あそこにいたんですか!?マリナさんの友達!?」
「そ、それはこっちのセリフだよ!しかもなんでマリナを知ってるの!?」
お互い聞きたい事が沢山あった。それにヒミツにしてほしい事も。
「んーじゃあまず俺からね、実はあの店でたまに働いてるんです」
「え!本当に!?写真なかったよね!?」
「はい、周りにバレたくないんで、写真は載せないようにしてるんです。ちなみにあの店では“シュン”って名前でやってます」
鞄の中から黒い名刺入れのような物を取り出し、そこからあのホストクラブの名刺を一枚抜いて私の前に差し出した。



