今夜 君をさらいにいく【完】



腕を掴まれ、ぐっと支えられる。


ふと横を見ると、三条君がいた。



『・・・・・・・・え!?』



2人の声が重なる。



ど、どうしてここに三条君が!?




頭の中がパニック状態。お酒のせいで余計グルグル回っている。


驚いている三条君の顔がだんだん歪んでいく。



意識が遠のいていく・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・




見慣れない天井と見慣れないカーテン。



目を覚ました私はぼんやりしていた。



昨日・・・マリナの彼氏のホストクラブに行ってそして・・・



あ!!!三条君!!


バッと横を向くと隣ですやすや眠っている三条君がいた。


無防備に口を開けて気持ち良さそうに。


辺りをきょろきょろ見渡すと、ここが普通の家ではないことに気づく。


ド派手な壁の模様に、安っぽいシャンデリア。TVの下にはカラオケの機械が設置されている。

・・・ラブホだ。