「ああ、あいつに好きだと言われたが、はっきり断った。それも恵理香のためだと思ったからな・・・。俺はあいつをそういう対象には絶対見れない。だから部屋にもいれたんだ。でもそれもこの前のが最初で最後だ」


「・・・」



私を胸元から離し、覗き込むように見つめる。



「信じられないか・・・?」



私は首を横に振った。



黒崎さんが嘘をつくはずないってわかってた。

私みたいに曖昧な返事を出す人じゃないってことも。




「私が疑う資格なんてないですよね・・・私の方が黒崎さんを傷つけたのに・・・」



「もういいんだ、それは」



抱きしめる力を強めた黒崎さん。




「お前だって一人で背負ってきて、今まで大変だったろ?何にもわかってやれなくて悪かった」


「そんなっ」



胸元から顔を離すと、そこには寂しそうに笑う黒崎さんがいた。



「桜井が、まだ俺を必要としてくれているのなら、俺はお前と生きていきたい」



寂しそうな笑顔から、すごく優しくて、温かい笑顔へと変わる。