黒崎さんは目を逸らさずに私を見てくれている。
「父がいなくなってから、私と妹は一文無しでした。妹に不便な思いだけはさせたくなかったんです。言い訳になってしまいますが・・・手っ取り早く稼げる方法として私は風俗で働く道を選びました」
無言のまま、腕と足を組んで私を見つめているが、その表情からはどんな思いで聞いてくれているのかはわからない。
私はそのまま続けた。
「黒崎さんを好きになって、信じられないけど両思いになれて・・。私はずっと言いだせずにいたんです、もし黒崎さんに知られたら、嫌われちゃうって思ってたから・・・」
この前とは違う、穏やかな空気のおかげか、私はゆっくりと落ち着いて話すことができた。
「でも、結果的に黒崎さんを騙す形になってしまって・・・黒崎さんを傷つけてしまった自分が許せません・・・本当に後悔してます。私の顔なんか本当は見たくもないはずなのに、今朝普通に話しかけてくれて嬉しかったですっ」
やばい。
自分で言っておきながら、泣きそうになってきた。
私は顔を見られないように俯いた。



