「くっ・・・それ以上侮辱するとただじゃおかないぞ!」
「いいですよ、こちらも色々言わせてもらいますから。さっきの桜井との会話、これに録音してあるのですぐ上に報告できますよ」
そう言い、携帯で録音したボイスレコーダーを流し始める。
「第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。 ね?部長がやってることも立派な脅迫罪ですよね?」
「わ、わかった!わかったから止めてくれ!」
「じゃぁこの桜井を盗撮した画像も今すぐここで消させてもらいますよ。他には・・・ないですよね?」
コクコクとまるでロボットのように頷いた部長。
部長に携帯を返すと、黒崎さんの手からもぎ取るようにして奪い取った。
そして逃げるようにこの場を去って行った。
その瞬間ほっとしたのか、ガクガクと体が震え始めた。
「大丈夫か?」
黒崎さんが私の側に寄ってくる。
「は、はい・・・」
しかし震えは止まらなくて。
それを見た黒崎さんが、センターの隣にある会議室に入れと、私を促した。



