「俺が今までお前に気を持たせるような事してきたなら謝る。・・・俺は恵里香を恋愛対象には見れない。でも、本当の家族以上にお前を大事に思っている。だからこんな男なんか忘れて、もっといい男探せ。そうしてくれないと俺も心配なんだよ」
「玲人・・・私を幸せにしてくれるのはあなたじゃないのね」
俺は優しく恵里香の頬の涙を拭った。
「ああ。でも俺は恵里香が幸せになってくれる事を願っているよ、心から。お前を大切に思ってくれる奴がきっといるはずだ」
それから恵里香はしがみつき、しばらく俺の胸で泣いた。まるで子供のように。
今までずっと辛い思いをさせていたのかと思うと、なぜもっと早くに言ってあげられなかったんだろうと後悔した。
外は未だに雨が止んでいなかった。



