恋……シヨ?ー小沢尚人編ー

「社会人になるって、大変なんだね」



「そうよ!雪山を登るよりもツラくて寒くて大変なんだからっ!」



…何で雪山が出て来るくらい寒いのかはわからないけど、とにかく大変なのは何となくそれでわかった。


好きな仕事につけたんだから、自立して生きていくの!

って、キラキラした目で気合い入れて家を出て行ったのに、やっぱり本当に癒される場所は実家なんだね。



「お姉ちゃん…彼氏とかいないの?」



「…………………っ!」



――ピチャリ


天井に溜まった水滴が、浴槽に落ちてきた。

と同時に、バスルームにシン…と静寂が漂ったの。




「…お姉ちゃん?」



「い…いる…わよっ
彼氏くらい!」



「じゃあその彼氏に甘えてみたらいいんじゃないかなぁ」



彼氏なんていない私には、憧れの存在。

甘えるなんて、何よりの癒やしじゃないかなぁって思うよ。