陸はゴンドラの壁を
軽く殴った――――


バコンッ!



壁は無残にも吹っ飛び
ゴンドラ大きく揺れた




「っあんた、何者ッ!?」



「黙っとけ。」



一瞬ふわっとした
感じがしたけど、
目の前は陸の胸なので
今どんな状況なのかが
よく分からない



てゆうか、
なんでカラスが襲ってくるの?


そもそも、
陸は何しちゃってるの?


それにさっきの陸の言葉、
あれはあたしの聞き間違い?




『聞き間違いなんかじゃないよ』



この声は
グライだね


あたしは何なの?


あなたはあたしの敵?




『さぁ?
君次第、かな?

あと、君は姫だ

お姫様だよ。

まぁ、そのうち
君を抱えてる彼が
教えてくれる』



陸のこと?


なんか頭痛くなってきたぁ…



『えっ?
大丈夫?』



あぁ違う違う、
色々考え過ぎてってことよ


『あ、そうなの?
よかったよかった

それよりさ、
彼呼んでるよさっきから
ずっとね』



嘘っ!?

あたしははっと我に返る