メイアイストーリー

陸が何か言おうとした時だった


耳元で知らない
男の人の声がした



「誰っ?」



「命?
どうした?」



「え?
あ、なんでもないよ」



この声、
陸には聞こえてないの?



『聞こえてないよ。
君と僕はテレパシーで
繋がってるからね
あ、ゆえに
声に出さなくてもいいから』



あなたは誰ですか?

しかも、テレパシーって…
ファンタジーですか…



『僕?
僕は天使ぶってる悪魔、
グライ
以後お見知りおきを。

あと、
ファンタジーって何?』



あ、どうも…
グライさん。

自分で“天使ぶってる悪魔”
とか言っちゃうんだね…


えと…
ファンタジーっていうのは、
非日常的な
素敵な物語のことで、

ワクワクドキドキ
ハラハラワクワク
するんだよ



ちなみに
あたしは、

『命でしょ?
知ってるよ。

あんたの隣にいる男には
僕の存在を話しちゃダメだ
約束してくれる?』