そして真菜は男が乗って来た白い車に乗り、
そのまま雪の街へと消えて行った。


「サンタクロース、来たでしょ?」


「えっ!?」


仁美姉ちゃんが真菜の消えて行った方向を見ながら
フッと微笑んだ。


「サンタクロース・・・」


あの男が・・・?



『恋人がサンタクロース』



小学生の俺にはすごく衝撃的なことだった。



俺は真菜から貰った小さな箱を開けてみた。


それは丸いガラスの中に、
粉雪が舞い、サンタがトナカイを連れ
空を飛び回るガラス玉だった。


そしてよく見ると、
一人の女ん子がサンタ後ろに抱き着いている。
そう、まるで今の真菜がそうであるように、


サンタクロースも女の子も
まるであの二人のように笑顔だ・・・