新撰組は恋の香り―後編―


「なんです?平助?葵羽さんはあげたんですから、このお団子はわたしませんよ?」

「いや、団子じゃなくて…って!?」

俺が焦ると総司は軽くため息をついて
もぐもぐしながら言う。

「みーんな、葵羽さんが好きだったんですよ?まあ、左之さんと近藤さん以外ですけどね。」

…ん?って、それみんなじゃん。

「じゃあ、総司も?」

「少なからず。」

「そーだったのかよ。」

葵、いつの間にか人気者になっちまってたんだな。
複雑な気持ちだなぁ。

「ん?土方さんもってことだよな?総司?」

あー、お団子なくなっちゃいました。
という顔をした総司に攻め寄る。

「そーですよ。あの土方さんも。」

黒い笑みを浮かべた、総司がとってもこわかった。