新撰組は恋の香り―後編―


「失礼いたしやす。」

お鈴ちゃんときゃっきゃしてると
お菊さんが上品に入ってきた。

「ねえはん!葵羽はん、いかがどすか?」

それを見てお鈴ちゃんが目をキラキラさせながら
私の肩を持ちながら言う。

「あら、ほんまかわいいどす。」

うんうんと頷くお鈴ちゃんはとても嬉しそうだった。

「あのー。土方さんは?」

気がかりだったことを言うと

「今日は用事ができましたさかい、いったん戻る言うてなぁ。でも、夜には誰かを来させる言うてましたわぁ。」 

「そうですか。」

「そんな哀しげな顔しんの。ここにはわちきらもいるさかい、安心しとき?」

上品に笑うお菊さん。