「失礼いたしやす。」
お鈴ちゃんときゃっきゃしてると
お菊さんが上品に入ってきた。
「ねえはん!葵羽はん、いかがどすか?」
それを見てお鈴ちゃんが目をキラキラさせながら
私の肩を持ちながら言う。
「あら、ほんまかわいいどす。」
うんうんと頷くお鈴ちゃんはとても嬉しそうだった。
「あのー。土方さんは?」
気がかりだったことを言うと
「今日は用事ができましたさかい、いったん戻る言うてなぁ。でも、夜には誰かを来させる言うてましたわぁ。」
「そうですか。」
「そんな哀しげな顔しんの。ここにはわちきらもいるさかい、安心しとき?」
上品に笑うお菊さん。


