新撰組は恋の香り―後編―


へらへらと笑いながら言うと
平助君は一つため息をついて

「あんなぁー?」

と、言い掛けたとき

「平助?イチャイチャすんのここらでやめとけって?土方さんの顔見て見ろ。」

原田さんが割り込んで言った。

私は怖くて土方さんの顔見なかったけど
平助君は「ひっ!」と、言って
後へ一歩下がり

「俺は、断固反対だからな!!!」

と、叫んで走っていった。


「おい!平助!!」

永倉さんが平助君が走っていった方向に叫ぶけどすでに遅し。
どんだけ速いんだか。平助君は。


「まあ、俺は葵羽の芸子姿見たいけどな?」

平助君に断固反対宣言されて
うーんと軽く悩むと原田さんが頭をポンポンと叩いてくれながらニコリといった。

「あ!俺も!なんかあったらこの俺様が守りに行くぜ?!」

にかっと笑ったのは永倉さん。


「おめぇら、2人は呑みたいだけだろ?酒を。」

「ん?そんなことねぇって、土方さん。なあ、左之?」

「おう!」

なんて会話をして
結局、平助君の叫び虚しく
私は島原に潜り込むことになった。