新撰組は恋の香り―後編―

そんなこんなで
斎藤さんに叱られながらも
夕御飯を運び、幹部の人用にお茶をいれていた。

「あーおーばっ!!」

「きゃっ!!って、永倉さん。」

永倉さんがいきなり脅かすから
お茶が少しこぼれてしまった。

「お?こぼしちまったか?すまねぇな。」

「あ、いえ。」

なんとなく、平助君と話したことが頭から離れなくてうまく永倉さんと話ができない。

「葵羽らしくねぇな。ノリがわりーぞ?!」

がはがはと楽しそうに笑う永倉さん。
きっと、平助君が出て行ったら...
そう考えると思わず下を向いてしまった。

「葵羽ぁー、お茶ー。って、え?!」

ひょこっと表れた平助君は、なぜか驚いた声をあげた。