新撰組は恋の香り―後編―

葵羽side

泣いてたからだけど
気付いたら夕方になっていた。

…あれ?なんか忘れてる気がする。
そう思ったけど何かは思い出せず、
お昼も顔出さなかったからみんなのとこに行きにくいなぁーと、たため息をついた。

「葵羽。いるか?」

「え?あ、います!って、斎藤さんですか。」

襖越しに見える陰と聞こえる声は、どうひっくり返しても斎藤さん。

襖を開けるとやっぱり斎藤さん。
私も一歩エスパー斎藤さんに近づけた
「俺はエスパーでもないし、お前は近づけてすらいない。」

「心の中を読まないでくださいよー。で、なにか用ですか?」