「あのさ、俺。伊東さんについていこうと思う。」
真剣な眼差しで私の瞳をみているようだった。
「伊東さん、この新選組を辞めて他の部隊を作るらしいんだ。」
「でも、それは平助くんは伊東さんについてく理由にならないよね?」
「あぁ、そうだよな。」
下を向きふぅっと息をつく平助くん。
「本当はさ、みんなとずっと馬鹿騒ぎしてたい。だけどよ、同じ流派の先輩の伊東さんを新選組に来てくれるように誘ったのも俺だし……ついていく義務があると思う。」
揺るがない眼差しで私を見ながら理由をいう平助くんをみると
ああ、止めても無駄なんだな
と実感してしまった。
「伊東さんも何か企んでるんじゃないかってのはわかるけどさ、あの人が全部間違ってるとは思えないんだ。」


