触れてみたい〜愛しい彼女の傷跡〜

全ての試合も終わって、表彰式が始まった。

学級委員の森下がうちのクラスの賞状を受け取り帰ってくると、今度は個人優秀賞が発表された。

女子部門は当然、冬花が選ばれた。

名前を呼ばれ、彼女は恥ずかしそうにうつむいたまま前に出る。

賞状と賞品を手渡され、次に男子が呼ばれるまでそこに待機させられる。

早く帰りたくてそわそわしている彼女の頬はほんのり赤かった。

「次に男子部門です」

委員の男子がマイク越しに喋り始めた。

なんとなく周りから視線が集まるのを感じる。

それは俺だけでないらしくて、隣にいる優もそう感じているようだった。

互いに顔を見合わせ苦笑いをすると、委員の男子の声が再び聞こえてきた。

「今回は一年の雨宮と葉山で意見がわかれましたが、僅差で葉山が選ばれました。おめでとうございます」

俺は周りの視線を背負って立ち上がる。


━━見せ物にされた気分だ…


ため息混じりに視線を落とすと、優と目があった。

彼は爽やかにニコッと笑うと「おめでとう」と小さな声で言った。

それはあきらかに俺のこの状況を面白がっているように見えて、少し嫉ましくなる。