次の日。

体育の授業で男女別々にバスケをやることになった。

男子は昨日のランキングのことがあってか、ネットの向こう側にいる女子に夢中になっていた。

女子はそんなことも知らずにバスケの試合に夢中だった。

森下、志村の頭脳派チーム。

山田、青木の活発系チーム。

残り物の地味なチームの三つのチームに別れている。

もちろん男子に人気なのは最初の二チーム。

それでもやっぱり俺が気になるのは、地味チームにいる冬花だった。

最初の試合は森下と山田のチーム。

山田のチームが有利だと思っていたが、力技の山田チームを森下の頭脳チームが押さえ込み、森下の勝利におわった。

「こりゃ、一位は森下かもなぁ…」

男子の試合の得点の記録係をしている俺の隣にきた五島がつぶやいた。

「おまえなぁ…。手伝う気がないならどっか行けよ」

ヘラヘラと笑ってごまかしている五島はバスケでなく、野球のチームに入ることに決まっていた。

そのためか、さっきの試合もやる気がなく、授業が始まったときから女子しか見ていない。

「なんか五島くんずっとこっち見てるー。キモーい」

さすがに五島の視線には気付いたのか、一人の女子がつぶやいた。