触れてみたい〜愛しい彼女の傷跡〜

「あの時は桜頑張ってたよね」

「え、バスケ部のマネージャーだったのか?」

優に話し掛けられ、彼女は顔を赤くしてうなずいた。


冬花は優に声をかけられて、余計固くなり喋らなくなる。

「桜、固くならないでよ。楽にして?」

優はふんわりと彼女に微笑みかけた。

その笑顔に一瞬気を許した冬花に俺はちょっかいを出す。

「そーそー、楽しくいこーぜ?てことでこれもーらいっ」

冬花の弁当からおかずを横取りする。

「ちょっ、返し…てっ!」

おかずを取り替えそうと冬花は俺より前に出て、はしをのばす。

冬花が必死におかずをおってくるのを無視して、口の中に押し込んだ。

「あー…」と残念そうに声をもらす冬花に嫌味っぽく俺は笑った。

それを見ていた優がクスッと笑った。

俺はおもしろくなってきて、優を横目でちらりと見る。

「すきありっ!」

油断している優の弁当からおかずを奪う。

「あ、やったな?じゃ、俺は桜の〜」

優もふざけて冬花の弁当にはしをのばす。

「え、ちょ、もうダメだって!!」

冬花も楽しくなってきたのか本当の笑顔を見せた。