「ぜーったいに入るから心配ないもーん。」

冬花もいつもと変わらない態度。

意味がわからない。

でもきっと、気にしていても答えは出そうにない。

俺はもう昨日のことを気にしないことにした。

少なくとも今だけは…






会場の目の前まで来ると、五島が俺たちのことを見付けかけよってきた。

「えっ!?えっ!?おまえら付き合ってんの?」

五島は俺のシャツをつかみ、ぶんぶんと乱暴に振り回す。

「そんなんじゃねぇって。電車であったんだよ」

イライラする俺は五島を一発殴る。

それを見ていた冬花はクスクスと笑っていた。

そのあと俺たちは、競技の会場が違うためバラバラになる。

「冬花ちゃーんっ!優勝して帰ってくるねーん!」

五島のアホが戯けたことを遠くで叫んでいる。

あのバカは野球に参加するため、グラウンドに出ていった。

俺たちバスケ組は建物内に入っていった。

建物内に入ると、先生が男女別に別れるように告げた。

男子は入り口から奥側のコート、女子入り口の目の前のコート。

別々にルール説明を受け、更衣室で着替えをする。

二階は観戦席になっていて、一クラス一学年ずつにわけられている。