触れてみたい〜愛しい彼女の傷跡〜

ボールを持つ冬花の手に自分の手をかさね、ボールをかかげさせる。

「ねらいをさだめて」

わざと耳元で声を出す。

ここまでくると俺はスリルと彼女への想い。

いろんなものが重なってワクワクしてきていた。

冬花は緊張からか、目を閉じる。

そんなの許さない。

「目、開けなきゃねらえないだろ?」

彼女が恐る恐る目を開くのが可愛くてたまらない。

「少しかがんで」

冬花と一緒になって俺も少しかがむ。

「そのままゴールを見据えて。」

俺は冬花の手の上からボールを押し上げる。

ボールと一緒に冬花も少し飛び上がる。

二人の手から飛んでいったボールは、真っすぐにゴールリングにむかっていく。

ボールが一度板の方にあたる。

跳ね返されて今度はリングにあたる。

はずんだボールがリングの内側にすとん。と入った。

「…入った。」

先にしゃべったのは俺だった。

なぜか感動してしまって声がでてしまった。