触れてみたい〜愛しい彼女の傷跡〜

冬花は苦笑いをして俺を見る。

本人なりに結構気にしていたらしい。

罪悪感を感じながらも少しめんどくさくなってきた俺は、冬花の後ろに回り手をつかんだ。

小柄な冬花はすっぽりと俺の体に包み込まれてしまう。

汗をかいているはずなのに冬花の髪からはいい香りがする。

自分でとった行動なのに心臓が痛いほどはねて、冬花に聞かれてしまうかもしれないと思うとすごく後悔する。

しかし、ここまできたら後には戻れない。

冬花も少し意識しているのか、うつむいてしまっている。

俺は無理矢理心を落ち着かせ、なんでもないふりをした。

━━平常心、平常心。ポーカーフェイスだ。

心臓がドキドキいっているのは走ってきたせいだと言い聞かせて前を見据える。

「下むくなよ。練習だろ?集中しろ。」

右手で冬花のあごを支え、前を向かせる。

「いいか?ボールをよく見ろ。」

冬花の目線にあわせるためにかがむと、彼女の耳が赤くなっているのが見えた。

狂いそうになるほど今、彼女を自分の物にしたくなる。

そして同時にむしょうにいじめたくなる。