触れてみたい〜愛しい彼女の傷跡〜

「なんだよー。せっかく冬花ちゃんいい感じだったのにー」

「どこがだよ」

俺がいつになく冷たい声で即答する。

「なーに怒ってんだよ?さてはヤキモチ?」

またにやにやと笑いだす五島。

「おまえ、やっぱ冬花ちゃんのこと好きだろー?」

「るっせ。んなわけあるかバカ。」

結局俺はその日も体育館には行けなかった。

その日の夜は何だかもやもやして眠れそうになかった。

球技大会に備えて早めにベットに入ったが、眠れそうにない。

目を閉じても寝返りを打っても眠気はやってきてくれなかった。

「だーもー!!走って汗流せば疲れて眠くなんだろ」

俺は起き上がりジャージを着ると、リビングに降りた。

誰もいないリビングの中に時計の音が響いていた。

時計を横目で見ると針は十時過ぎをさしていた。

━━九時にはベットにいたのに…

ため息をはくと中学校の頃によく走っていたルートを久しぶりにランニングする。

折り返し地点に決めていた公園まで来るとボールがはずむ音が聞こえてきた。

まさかと思いながら公園の奥へと足を踏み入れる。