触れてみたい〜愛しい彼女の傷跡〜

一人で歯を磨いていようとすると、姉ちゃんが追い掛けてくる。

「今度彼女つれてきてよ〜」

「ねぇねぇねぇ〜!」

ちょこちょこと俺の周りを動きながら、ずっと喋り続けている。

我が姉ながらうざったい。

俺はずっと無視をしたまま学校に行く準備を続ける。

姉ちゃんはというと、俺の周りをずっとひっついてくる。

最後には玄関までついてきて、ずっと冷やかし続けてくる。

疲れた俺は振り返り、一言だけ言った。

「彼女はいない。」

それだけいうと、大げさすぎるほどに力強くドアを閉めた。

「…ケチっ!」

ドアの向こうからでも聞こえる姉ちゃんの声にため息をはいた。






イライラする。

ヘッドフォンで音楽を大音量で聴きながら、下を見て歩いていく。

━━あのクソ女。血がつながっているとは思えねぇ…

仏頂面で道を歩いていると、後ろからまたうっとうしいのが来た。

「はーやーまー!」

声は聞こえて入るがめんどくさいので気付かないふり。

五島は俺の周りをちょこちょこ、動きまわりながら俺の名前を呼ぶ。

嫌というほどに誰かを思い出さされる。