降参したのではない。 これから、あちらは我々を追い詰めるため攻めてくるだろう。 そこを利用して…六波羅へ“誘き寄せる”のだ。 賀茂川を挟んでの合戦となろう。 だから、我々は矢を賀茂川の上空へと射て…射られた矢は、やがて勢いをつけ、賊軍のいる下へと落ちる。 矢の雨により、兵が減少するという父上のお考えだ。 ともかく、今はこの軍勢を率いて六波羅へと急がねば――。