おはよう。
彼は産声という名の挨拶をした。
神は彼に生を与えた。

彼はそれを望んだのだろうか?
草木は種を落としやがて芽吹き重力に逆らうように天を目指す。

ヒトも同じだと後に彼は気付き、その本能を呪う。

彼は生きるための燃料を母から与えられ、その命を精一杯燃やす。

ともかく彼は人生という名の長い旅の船出を迎えたのだ。

彼の名は「トモ」