そんなあたしにはお構いナシに、市原君はもうアイスを食べ終わってる。 あたしも慌てて食べ終える。 外に出ると、もう辺りは薄暗かった。 そんなにいたんだ。 結構あっという間だったなぁ… 帰り道、歩いていると市原君が唐突に言った。 「なぁ、俺にはご褒美くれねーの?」 「えっ…」 …そうだよね。 あたしばっかりしてもらっちゃいけないよね…。 「俺が指導してやったから100m走でも1位だったし、リレーでも抜かせたんだろ」 「そうです…」 「んじゃ、授業料払ってもらおうか?」 市原君が言った。