「……より戻ったの?」
こんな事が聞きたかったんじゃないくせに。
でもどうしても聞きたかったくせに。
「美鶴には、関係なくない?」
雨と同じ様に冷たい言葉。
「そか……もう俺はいらないんだね?」
これは、雨?
それとも涙?
「元々……必要だなんて言った事ないよ?
美鶴には……前遊んでた女の子達が似合ってる」
似合ってるって何?
傘で隠れた琴さんの表情が見えない……。
「美鶴……もう会わない。
だから、ここにも来ないで?」
「え……。
あー、元彼に言われた?
男遊びすんなって?
……もう元彼じゃないか」
黙ってる琴さん。
俺は、何ベラベラ喋ってるんだろう?
こんな事が言いたかったのか?
その瞬間、傘から少し見えた顔。
瞳に浮かんでるのは……涙?
「琴……さん?」
「さよなら、美鶴」

