外は大雨だった。
その中を傘もささず走る。
どこに向かってる?
俺は何してる?
あいつと一緒に居るかもしれないんだぞ?
頭の中は冷静に言っても、体は違う。
頭の中で冷静に言う俺を無視して、走り続ける。
この俺が、感情を外に出すなんて。
「……はぁ…はぁ…はぁ」
琴さんの店の裏。
誰も……居ない。
そんな事にホッとした俺は、階段に座った。
もう、雨でぐちゃぐちゃだから、気にもならない。
どれ位、待っただろうか、出て来た琴さん。
俺を見て驚いた顔をみせる。
「美鶴……、どうしたの?」
……どうしたんだろう?
俺は、何がしたかったの?
何が言いたかったんだろうね。

