「琴さん……は、どうしたいの?」
やっとの思いで搾り出した声。
「え……私? 悩んでる。で、美鶴はどう思う?」
悩んでる……んだ。
そか、まだ好きなんだ。
そうだ。
琴さんは、いつも未練たっぷりで話してたもんね。
それなら、答えは一つだよね?
琴さん……。
「琴さんの思うようにすればいいんじゃない?
好き……なんでしょ?」
「……それで、いいと思う?」
「俺に聞かないでよ?琴さんの事じゃない」
「そっか……そうだよね。ごめんね?」
パジャマの上を羽織り、バスルームへと向かった琴さんの背中を黙って見つめていた。
さっきまで、俺の腕の中に居た癖に急にそんな事言うなよ。
俺に抱かれときながら……他の男の事考えてたの?
俺は、その場に散らばった服を着て部屋を出た。
バスルームから琴さんの呼ぶ声を無視して……。

