田中さんは気持ちを固めたのか、僕を真っ直ぐみた。 「教えて。渡辺君がそうゆうなら、メンバー入りするしかないじゃないの。」 僕は田中さんから紙と鉛筆を受け取ると、さらさらと練習メニューを書き出す。 このメニューを毎日きっちりとやれば、一ヶ月の間にある程度はすぐに上手くなるだろう。 敵に塩を送る、とはこのことなのだろうか? 「じゃ、頑張ってね」 メニューを書いた紙を田中さんに渡して、僕は帰る。 そして、地下の音楽室をでると同じくらいに 「何なの!?このメニュー!?」 驚いた声が聞こえた。