きっと生きている。

きっと無事でいる。

人は神には敵わない。
付喪神は倒せない。

だが景時は、そう簡単に諦めるような男ではない。

足掻きながら、もがきながら、それでも光明を見出だそうとするだろう。

だから、きっと生きている。

きっと無事でいる。

うさぎは心の中で呪文のように繰り返す。

でも一向に不安は去っていかない。

生きている。
信じている。

だけど…

百年を経た器物は自我を持ち、神と成る。

それが付喪神。

付喪神となってからまだ日が浅ければ、能力自体は妖魅とさほど変わらない。

有り体に言って、それほど脅威を感じる相手ではないのだが…