覚悟の上だったとはいえ、恋の終わりは悲しいモンで。

それはどんなカタチの恋でも。

たとえ慰め合うだけの、偽装恋愛でも。

酷い顔をしていつもより遅く帰った景時を、うさぎはただ黙って抱きしめた。

ナニも聞かないまま。
ナニも知らないまま。

それでも抱きしめてくれた。

うさぎの細い腰に縋りついたまま、ソファーの上で眠りにつく。


(ごめん、うさぎ。
ごめん、深雪さん。)


サイテーだ。

深雪を傷つけて。
うさぎに癒しを求めて。

お互い遊びだ、なんて言い訳しながらテキトーな関係を繰り返し、たくさんの誰かを泣かせてきたのかもしれない。

どーしよーもない、サイテー野郎だ。

それでも。

サイテーで勝手で卑怯で、どーしよーもない男でも。


(もう間違えないから。
もう君だけだから。
君が好き。
君が好き。
君が…
うさぎ…)