それから3日後の事だ


高瀬と亮が付き合うようになったのは



亮の性格を考えたら告白されて断れる訳がない

だからすぐに終わると思ってた


そんなボランティアの付き合いなんて、すぐに



高瀬が不幸な顔をしてたら無理矢理でも別れさせてやろうって思ってた


でもあいつは亮の側に居る時が一番いい顔していた


おれがどんなに手を伸ばしても手に入らないものだ


やっぱり亮だけは気にくわない





『お帰りなさいませ。尚お坊っちゃま』


家に帰ると相変わらず、胡散臭い笑顔で出迎えられる




『最近は随分帰りが遅いようで。運転手が泣いていますよ?』



俺はあれからも送り迎えは拒否し続けている


運転手だって仕事だし、それを奪うのは可哀想だと思うけど


俺の周りに居る大人は全員親父の指示通り動いている。それが反抗する理由




『会長に言われましたよ。尚お坊っちゃまが家に寄り付かないのは家にないものを求めているからだって』


『…………』




『尚お坊っちゃまに必要なものは全て買い与えるよう言われております。何か欲しい物があるのですか?』





----------だから嫌なんだ。



家に音楽が出来る環境を作って、ドラムを買って、専属の講師を付ければ夢は叶うって?


音楽も努力も才能もドラムも簡単じゃないから惹かれる


初めからなんでも揃ってる人生なんてつまらない