その衝動に店内に居た客達がざわめく


-------------------♪♪♪♪!!!!!

--------♪♪♪♪!!!!!!



目で追えないくらいのギターさばき

その一歩後ろで、ベースの鉄が追いかけるように演奏する


激しい曲なのに、亮の甘い声が似合うのはあいつが自分の音楽を理解しているから


声の音量と音域

そしてベースやギターがかっこよく聞こえる曲調



---------これだ。胸の奥が熱くなるこの感じ

ジワジワと身体中の血がざわめく感覚



--------♪♪♪ッ!!♪♪!!!
---------------------♪♪♪ッ!!!!!!!!



悔しい。ものすごく

俺と同じ年月を生きてきたはずなのに、あいつらは遠い場所に居る



曲が終わると、鳴り止まない歓声が2人に注がれた

今まて演奏してきた奴らが不敏なほどの差



『す、すごい。本当にすごいよ。あの2人』


隣で高瀬がポツリと呟いた

俺はどうしようもない嫉妬心が沸き上がってくる



『有り難うございます。えっと、じゃぁもう一曲弾いてもいいですか?』


亮の言葉に再び客が湧いた



『……たく。あいつら勝手に』


店長が困った顔をしていたけど、この客の反応を見たら止められる訳がない



『次はバラードです。聞いて下さい。【愛 雨 傘】』


--------……♪
---------------………♪♪


先ほどとは違う静かなメロディ


------♪♪………♪

-----------…………-----♪♪