時間は刻々と進み、その間色んな奴がステージに立った

ジャンルがそれぞれ異なって、歌う曲も全然違う


だけど俺にとってそいつらの音楽は心地よいものではなかった



『あ、尚。次は亮達だよ。ほら』



高瀬が興奮気味に指さした先には亮と鉄の姿

薄暗い店内の中でスポットライトを浴びるあいつら


ギターにベース。そしてマイクを準備して亮が客に挨拶をした




『今晩わ。えーと、2人でやってるデュオバンドです。こうやってライブハウスでやるのは初めてで……』


店内の興奮が一気に冷めるような固い挨拶


客の興味が薄れていくのが空気で分かるぐらい



『でも精一杯演奏します。聞いて下さい』


亮はそう言った後、ゆっくりとギターに触れた



---------♪♪……♪………


アンプやスピーカーから2人の演奏が流れ始めた


この前聞いた曲だ。静かイントロから始まるメロディ

そして


--------♪♪♪♪!!!
-----------------♪♪♪♪♪!!!!!


--------♪♪♪♪!!!
----------------♪♪♪♪♪!!!!!


稲妻のようなでかい爆音が地鳴りのように鳴り響く