『店長、ここのお皿洗いますか?』


すると、スタッフルームから高瀬が出てきて流し台に溜まった皿やコップを指差した



『おー。お願いね』



この店長は何か仕事をしてるんだろうか?

全部従業員任せにしてるじゃねーか


まぁ、俺には関係ないけど


『……あの、あいつらっていつから音楽やってんすか?』


俺の興味はそこからぶれない


店長は煙草を吸いながら、灰皿を自分の前に置いた



『さぁ、なんでそんな事気になるの?』


何故かニヤニヤしている店長を俺は横目で確認した

絶対わざと言ってやがる



『ここに来た時にはもうちゃんと弾いてたからね。亮にいたってはあの歳で数えきれないくらい作曲してるって言うんだから驚きだ』


つまり最近始めたんじゃないって事か


----------当たり前か。あんな演奏、俺と同い年の奴が簡単に弾ける訳がねぇ



『まぁ、音楽に関しては別だけどあいつらなんて普通の16歳のガキだよ。ガキ』


店長がそう言った瞬間、サンセットのドアが開く鈴の音が聞こえた




『誰がガキだよ。店長』


そこに居たのは紛れもない昨日の2人組だった