侑哉side

「へぇ。
よく似合ってんじゃん」


白いタキシード。

いつもより少し緊張した面持ちの俺の友達は、俺が知ってる中で一番いい顔をしていた。


「まさかイツが一番先に結婚するとはな~」


陽斗がしみじみとした口調でそう言う。


「ハルだってナナちゃんと結婚するんでしょ?
3月だっけ」


陽斗と伊沢が秋に再会して、復縁。


そして、イツと松山はすぐに結婚式を挙げることを決めた。


高校時代、ずっと一緒にいた……いわば親友。


そんな親友二人の結婚をもちろんめでたいことだと思ってるし、俺だって嬉しい。


イツがずっと松山のことを好きだったのを知ってるし

陽斗がどんな思いで伊沢のことを待っていたのかも知ってる。


……なのに、なぜか寂しいと感じてしまう自分がいる。