君に出会わなければ…









ああ、胸痛っ。




今までとは比べ物にならない痛みが、激痛が胸を締め付け始めた。





思わず胸を抑えた。




服にシワがつくくらい、胸を掴んでいた。




「お嬢様!?」




今まで黙って私の後ろに立っていた溝口が横に立った。




「茉莉、どうしたの!?」




目の前に立っていたお母様も、私の異変に気付いたようで一歩近づいてきた。




木村さんたち6人も、いつの間にか下りてきていたらしくすぐそばにいて、私の様子を見て、こちらに歩み寄ろうとしていた。





まずい。こんままだと大事になる。








「大丈夫だから…!」






手を挙げて、これ以上誰も近づかせないように止めたかったのだが、激痛は立っていられないほどの痛みとなり、思わずしゃがんでしまった。