「あなたは溝口からの伝言きいてないの?」
私は真顔で後藤さんをまっすぐ見て質問すると、彼女は平気な顔で「伺っております。」と答えた。
「じゃあなぜお母様が私の部屋まで来たの?」
イライラするが冷静に質問していこう。
「奥様がお嬢様を心配されていたので、お顔を拝見された方が良いのではと思いまして。」
「それは誰の考え?」
質問をした途端に顔色が曇る後藤さん。
「私の考えです。」
私はその答えを聞きながら、後藤の前を行ったりきたり歩いた。
周りには家政婦の人たちか集まっている。
それもそうだろう。
お母様に溝口がいて、リーダーである後藤さんが話しているのだから、何かあるとわかるだろう。
周りにいるみんなに、聞こえるように、話してあげないとね。
「ふうん。あなたの考え。
あなたが考えてお母様をあえて止めなかったと。」
「はい、そうです。」
私の声のボリュームと反比例して、最初と比べ物にならないくらい、普段では考えられない声量で答える後藤さん。
私がきれていることに流石に気づいたようだが、もう遅い。
私は後藤さんの前に立ち止まり、言い放った。

